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zoom RSS AGMバッテリーの充電について考える 〜3〜

<<   作成日時 : 2012/12/15 18:38   >>

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さて、妙なネタを引っ張って最早パート3。

何でこんな事について書き始めたのか自分でも良くわからないんですが、書きかけてほったらかすのも何なんで … とにかくそれぞれの充電器を比較して、ここらで終わりにしたいと思います。



まず、下の図を見て下さい。 80%ほど放電した容量2600mAhの18650 (ノートパソコンのバッテリーやパナのモバイルブースター内蔵と同型のリチウムイオン充電池) 1本を、ハイペリオンの EOS 720i NET3 という充電器で充電したグラフです。



 茶色が電池の電圧、紫っぽいのが充電電流ね。 緑は充電された容量。 ここでは2100mAh ほど押し込まれたということ。
画像
 無数の縦線が入っているのは … 1分置きに5秒間充電電流をゼロにして、電池の開放電圧や内部抵抗を見ているから。




ここでは1Aの定電流で充電を始めています。そして4.2V (リチウムイオン電池の電圧上限) に達した瞬間 (グラフのほぼ中央) から充電電流が降下し始めている … 定電圧充電に切り替わっているのがわかるでしょうか。
そして、充電電流が 0.1C (容量の10分の1) … 260mA まで減少した時点で充電を停止させています。


非常にビシッと制御されていますよね。 これが、定電流 → 定電圧充電 (CC-CV充電とも呼ばれる) の理想です。
これを正しいイメージとして、これから以下の図を見ていきましょう。



おっと、その前に。

以下の充電器は、充電中の全域、または一部でデサルフェーション効果のあるパルスを出すということになっています。
バッテリー劣化の大きな原因であるサルフェーションについてここでは説明しませんが、特定のパルスにそれを取り除く効果があるのは間違いないようです。 しかしパルスっぽかったら何でもいい、ってものでも無く、効果的な波形や間隔があるということ。

以下の充電器が発するパルスがその 「効果的なパルス」 かどうかは判りませんが、そんなことを言っていたらもうキリが無いので … ここでは一応、効果アリ、として話を進めて行きますね。


ちなみに、オークションなどに出品されている個人制作のデサルフェーターは … 稀にとてつもない粗悪品が紛れているらしい。
パルスが一発出たら終わり、とか、まったく出てない、とかね。




それでは、ACDelco AD-0002 から。 下の図は販売元が出している動作の簡易的な説明から抜粋。



画像
 ステージ○の右が、すべて「定電流充電」となっているが…間違ってますね。ステージ2,3,4は定電圧充電です。気付けよと。



(注) … 以下の記事に出てくる電流 (A) の実測値は、非接触式クランプメーターでの測定のため若干ズレがあると思います。



※ 充電器本体に表示される電圧は、実際のバッテリー電圧より 0.14V ほど高いようである。
もちろん本体の表示部はコンマ一桁までしか無いから … 例えばバッテリー電圧が 13.86V に達した時、本体表示は 14.0V となる、ということ。


※ 充電電圧が選択値より少し高くなる。 2A を選べば 2.4A 程度からのスタートとなり、6A を選べば 6.4A、10A を選べばやはり 10.4A 程度から始まる。 12A と 15A スタートは診てないのでわかりません。



※ ステップ3に入った初期の段階では、例え 2A 充電を選んでいても 3A 程度流れる。 そりゃバッテリーの電圧を16Vオーバーまで上昇させるには最低それくらいの電流が必要であろう。



※ これが最大の謎なのだが … この充電器、通常充電とは別にメンテナンスモード … 通常充電でエラーが出るような劣化バッテリーの復活を試みるモード … というものがあり、それは 800mA の定電流充電とされています。
それは製造元シンフーのデータシートでもハッキリそう書いてあります。

しかし実際の動作はまったく違っていて、何度検証しても 2.4A 程度から充電が始まり … そしてバッテリー電圧が 14.8V 近くに達した時点からジワジワと電流を落とし始め、充電電流がだいたい 0.5A まで落ちたところで停止するのです。
これはもう 800mA の単純な定電流充電などでは無く、2.4A からスタートする立派な定電流 → 定電圧充電だと言っていい。
2A通常充電のステージ3が無くなったものだとも言えますけど。


この動作は複数のバッテリーで調べても同じでした。 ただし、バッテリーの状態が悪く 「14.8V/0.5A」 という条件になかなか達しない場合には … メンテナンスモードが延々と続くようです。

また、このモードは本来 800mA という微細な電流で充電するモードの 「はず」 なので、販売元の謳い文句では容量の小さいバイク用などのバッテリーはこのメンテナンスモードで充電してください、となっている。
しかし 2.4A からスタートするとなると … 本当にそれでいいのかは疑問ですね。
ま、容量が小さけりゃあっという間に 14.8V に達して急速に充電電流は減少するだろうから、かまわんのかもしれないけど。



※ グラフのギザギザでも判るように、この充電器は全域パルス充電となっています。
これはオシロスコープで調べた方がたくさんおられるようで、全域で何らかのパルスを出しているのは間違いないようです。




続いて、CTEK US7002。



画像



※ US仕様ということで、ACプラグの片側が大きい。 そのままでコンセントに差し込めない場合は、片側の受けが大きいタップや延長コード (けっこうあります )などを間にかませることになる。 そういうのが一切手元に無ければ使えないということ。
いっそ大きい方を削ってしまうのも手だと思いますが。


この充電器には …

NORMAL
AGM     (またはWETバッテリーを5℃以下で充電する場合)
RECOND  (リコンディション)
SUPPLY   (バッテリー交換時など、バッテリーを一時的に取り外す場合のバックアップ電源として)

というモードがあります。 それぞれがどういう動作をするのかは、下の図を見てもらえば一目瞭然ですね。



画像



8ステップ充電が売り。 これはAD-0002の4ステップの倍もあって非常に良いのではないか … という感じがしますが、果たして。



※ 概ね健康なバッテリーを追充電しようとした場合、ステップ@のデサルフェーションは数秒程度で通過してしまう。
したがってバッテリーの状態がかなり悪い場合以外は、このステップは無いのと同じである。



※ AとBはそれぞれ違うことをやっているように表記してあるが… 実はやっていることは同じ。どちらも普通に7Aの定電流充電。
Aのしょっぱなから7A流れてますから別にソフトスタートでも無いし、12.6Vを境にどうこうしているわけでも無いようです。

つうかAとBの下部説明書きにはちゃんとどちらも 「7A」 と書いてあるのに、なぜソフトスタートなのか、グラフのCURRENT(A) がなぜBで跳ね上がっているのかは謎。

とにかくステップAとBは同じ事で、実質両者合わせてワンステップ。すなわちこれは、AD-0002 のステージ1と同じだね。



※ ステップCはAD0002のステージ2と言えるが … これがちょっと曲者で、どうも満充電の判定を正確に出せていないみたい。

冒頭のハイペリオンと同じような動作で … 例えば 14.7V の電圧を上限とし、充電電圧が 0.7A まで減少すれば満充電、と機器が判定出来るならば … 良コンディションのバッテリーの場合、それが数十分や数分の短い時間で達成出来てもいいはず。

極端な話、ステップDまで進んだバッテリーから一旦クリップを外し (コンセントを引っこ抜いてもいい)、再びすぐに繋げば数秒でまたステップDまで進んでいいはずだが … この充電器は、再びステップCにぴったり1時間かけるのです。
ん? ぴったり1時間 …? … そう、電流値の減少から満充電を判断しているのでは無く … 単にタイマー制御なんですねぇ …
あんまり賢いとは言えないなかもねぇ …

制御が甘くて無駄に時間を掛けている事への辻褄合わせのために、「吸収、浸透充電 (下の図)」 なんて言ってるんじゃないか、と勘ぐりたくもなるけど。



※ ステップDでは一旦充電を完全停止し、電圧降下を見てバッテリーの診断をしているようだ。
CTEKではこれをひとつのステップとして数えているが、実は AD-0002 もステージ1と2の間で同じ事をやっている。



※ ステップEは、リコンディションモードを選ばない限りは飛ばされます。 ちなみのこのリコンディションを、AGMモードに取り入れることは出来ません。 多分 15.8V まで上がることがAGMバッテリーに良くないと判断してのことだと思う。

そして、このリコンディションは AD-0002 のステージ3だとも言える。
すなわち AD-0002 の通常充電は、CTEKで言えば毎回リコンディションモードを作動させているようなもの。



※ ステップFGは、AD-0002 のステップ4とだいたい同じようなこと。




こうして見ると …

ステップ @   … 通常ほとんど働かずに通過。(AD-0002のようにメンテモードとして独立させたほうが良かったのではないか)
ステップ A B … AD-0002 のステージ1
ステップ C   … AD-0002 のステージ2
ステップ D   … AD-0002 はステージ1 と 2 の間で同じ動作をする
ステップ E   … AD-0002 のステージ3
ステップ F G … AD-0002 のステージ4


… となり、若干の順番や電圧の違いこそあれ実は両者のステップ数は同じようなもので、取り立てて優劣は無い、というのが分かると思います。

また上下の図によれば、CTEKはデサルフェーション効果のあるパルスを出すのはステップ@だけとなっていますよね。
しかしここはすぐ通過してしまうので … 一般的な追充電では、デサルフェーション効果は期待できない、ということになる。
ただし、オシロスコープで見ると実は充電中ずっと何らかのパルスを出している、という観測結果もあるようです。
それが本当で、かつ効果のあるパルスなのなら … それも謳い文句に加えなければ損だと思いますが。



※ バックアップ電源として使えるというサプライモードであるが … なぜかF10には通用しなかった。
サプライで通電しながらバッテリーを外すと … 即座にエラーランプが点灯して供給停止。 何度やってもダメ。
おかげで時計などを合わせ直すハメになりました。

つうかF10、日付時刻はGPSで掴めない?
今時のこの手の車はGPSで時刻修正が当たり前と思ってたけど、実は F10 の時計は進んだり遅れたりしてるのだろうか。



 CTEK 日本語版。
画像



結論。 「充電電圧が 14.8V を超えてはならない」 というBMWの提示を守るという条件で。


ACDelco AD-0002 は使えない、ということになります。

ただし、思わぬ動作をするメンテナンスモードだけは使える。
一晩中掛けてジワジワと気長に充電するつもりなら、デサルフェーション効果もあるこのモードが一番良いかもしれないね。

しかしそのモードだけしか使えないのに、わざわざこの充電器を買うのはどうかと。
AGMバッテリーのためだけなら、この充電器は無しでしょう。
まぁWETバッテリーの充電ならこちらのほうが優れている気がするので、その点、実に惜しい。
14.8V を上限とするAGMモードがあればなぁ … と思いました。



CTEK US7002は、ちょっと残念なところはあるものの … 別にバッテリーに負担をかけるような致命的な制御という訳では無し。
憂いなくAGMバッテリーを充電したいならば、こちらを選ぶしかありません。

まぁ見てくれも、充電器然とした AD-0002 より US7002 のほうがカッコいいからね。 何かいいモノ買った気にはなれるかも。
長期間乗らない車に繋ぎっぱなしでフロート充電するには、CTEKのほうが断然スマートでサマになるし、向いていると思います。
(そういう用途のためのコネクターとかインジケーターなど、色々オプションが充実していますので)





兎にも角にも、この手の品物ってなんでカタログと違う動作をしたりやや誇大表現だったりするのが常なんでしょうか。

製造元に若干そういう気がある上に、そこに輸入元や販売元のあんまり詳しくなさそうな説明書きが加わったりすると … 余計にワケが分からなくなったりしてさ。


言っちゃァ悪いですが、これくらいの販売価格ならもっとビシッとした制御のモノが造れるはずで。
そういう意味では、もっと真面目にやってくれというか … ちょっと誠意が足りないんじゃないのかなぁ、と思います。





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